【父97歳のこと 12】

長老の役割

父の亡骸が自宅に帰り、通夜まで涙雨が降りつづきました。

昨日、告別式は爽やかに晴れ渡り、骨上げと初七日も無事に終わることができました。

ありがとうございました。

4/27(火)

病院から自宅に帰ってすぐ、自治会長さんと地域の役をしている方々がお参りに来られ、「小濱さんには色々教えてもらった」と目を赤くされていました。

そんなこんなしてる間に、会員になっている葬儀屋さんとの打ち合わせ、これが難あり

会員の基準より高いものにさせよう、予算を減らしたいなら会館での最期のお別れを止めたらなどの言葉、対応に不信感、きっぱり自分達の考えを伝えるが、不安とここに決めた後悔でいっぱいになりながら準備を進める

夜、娘が顔の手入れをし、いつもの父に近づけるために化粧を💦 冷たいからファンデーションがちょっと浮いてしまうけど、それなりに😅

4/28(水)

時節柄家族葬にするので、お別れしたい方は自宅にと伝えると、たくさんの方がお別れに..

60代の方は自分が子どもの頃から見守ってもらってたと

縁側は子ども達の通学路、地域の役を長年務め、縁側で、初めて会った人にも、どんな人にも分け隔てなく笑顔で話しかけていた父

「地域の名物」

「地域の守り主」

何十年もそこにいたおじいさんを知る小学生から60代までの方が「見守ってもらった、淋しい」と口々に..

父がどんな存在だったかが見えてくる

親子でお別れに来てくれたご家族、その小学生の女の子がおじいちゃんに手紙を持ってきてくれた

きっと父の姿が、大事なことを教えてくれると思い、その子におじいちゃんの顔を見せ、「人はこうやって必ず死ぬから、だから今を大事におじいちゃんのように楽しく生きるんだよ」と話したら、うなずいてくれた

もう十年以上父の生活を支えたヘルパーさん、ケアマネさんやご近所さん

「小濱さん..」と、皆さん言葉につまる

「楽しかった」「しんどいを言わない」「いつもキチンとしていて笑顔」「何でも教えてもらえた」

帰ろうと席を立つも、父の顔を見たまま足が進まなくなる

もう会えないのが信じられない、離れがたいのが伝わってくる

そんなお別れが、夜まで続きました

その合間合間に、会館で流す写真を、たくさんのアルバムからピックアップし、長女が取り込んでいく、写真を見ると泣けてくる

父の姿もだけど、孫達を見つめる父の目が優しい、こんなに大事にしてくれてたんだ

4/29(木)

10時に自宅から葬儀会館へ..

会館では担当も代わり、気遣いもありホッとする

メモリアルコーナーができていた

湯灌の儀に家族も参加

普段着ていた服を着せてもらい

顔も整えてもらい、家族も満足

通夜は、最小限の親戚が集まり、御導師のご近所のご住職のお話

「今家に帰ってきてる30代の娘に小濱さんが亡くなったと話したら、いつも笑顔で挨拶してくれてた、淋しいと言っていました。和顔施という言葉があります。笑顔を人に施すことですが、なかなかできるものでない、それをされた方だと思います」と..

その日は会館で家族でお泊まり、新しい綺麗な会館なので

おじいちゃんと旅館に来ているようで、子ども達も何か楽しそう

コロナの時にこんな時間をくれて、おじいちゃんありがと❣️

4/30(金)

10:30 告別式は、生演奏の中こじんまりと

司会の方に言ってもらったように、これが本当に最期..

ベタベタと何度も顔を触る.. 冷たいけど柔らかい父、もう二度と触れることはできない

12:30 満池谷斎場へ

炉に入っていく棺を見送る、父の身体が焼かれてしまうと思うとたまらない、これが子どもならもっとたまらないだろう

14:15 予定より早くお骨上げ

97歳とは思えない力強い骨を見て孫たちと笑う「さすが 😆」、喉仏は見事に座禅をくんだ仏様!

小さく小さくなったお骨を抱きしめて会館へ戻り初七日を終え

実家に帰り家に小さな祭壇をつくってもらい、式は全て終了。

主人や子ども達のサポートでここまでこれました😌

さあ後は、色んな手続きと、前を通る子ども達に、おじいちゃんのことを伝えなければ..

姿が見えないことに気づくでしょう、あやふやにしてはいけない、次の世界に飛び立ったこと、「人は必ず死ぬ、だから今を自分の人生を大切に、楽しむことが大切」と、父の姿を使って伝えられたらと思う。

その役割ができるのが、まちの長老.. おじいちゃん、まだまだ仕事があるね😊

父の、長老の遺してくれたもの..

まちづくりには、『あのおじいちゃん』『◯◯ちゃん』と言える関係をつくる事が大切とわかっていても簡単ではない

世代間交流とか、考えるでなく自然体でつくってきた父の姿が私たちの指針だと、父の紡いできたものを繋いでいかなければと思う。

縁側のその姿は、私だけでなく子ども達から大人まで多くの人の心に刻まれている。きっとそれは各々の中で、色んな色の花を咲かせると信じる。

戒名には、「温」の字が入っていました。なるほど、たしかにピッタリ😌

おじいちゃん自身もだけど、最期までたくさんの人の温かさに囲まれて、良かったね🌸

あっぱれ、おじいちゃん👏


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