【父97歳のこと 5】

2021年4月21日

鎮静剤は、眠剤のような緩いものでなく、麻酔のように寝る薬で、それを点滴で、

ポタ….. ….. ….. ….. …..ポタ….. ….. とゆっくり落としていきます。

最初は30分もすれば深い眠りの中だったけど、寝るのに1時間30分かかったり、その間酸素マスクを嫌がり外す.. 着ける.. 外すの攻防が繰り返されたり

酸素が値が低いので、酸素マスクは、小さな管で鼻の穴に入れるタイプと違い、鼻と口を覆い酸素が強く送り込まれるタイプを着けさせられている。

顔を異物が覆い、それをゴム紐で後頭部に回して止める。それと口元に酸素が流れこんでくる違和感は耐えられないようで、意識が戻ってくると直ぐに外してしまう。

この鎮静剤が効いてるのは2時間ぐらい..

意識が戻ると、「うぅうぅ」と苦痛とも訴えともわからない声をあげる。

たまに、目が少しずつ開き平気な穏やかな顔の時もある。

苦痛の表情や不穏のときは、また直ぐに鎮静剤を入れてもらう。

父がすごいのは、尿意で起きて何とかしようとすること..

鎮静剤が効いてるのに💧

脳梗塞で足が思うように動かなくなってから18年、夜は尿瓶を2階の自分の部屋に持って上がり、夜中はそれを使い、朝自分で下ろして処理をしていた。

今、紙おむつと尿パットをしてるけど、尿意で起きて動こうとするので尿瓶でとる。

最初意識がはっきりしているときは、排尿の手伝いを娘にされるのは嫌だろうと思ってできなかったけど、忙しい中に気を使われる看護師さんの負担を少しでも少なくしたくて、2日目ぐらいからかは私がするようになった。

どんなに立派な人でも、最期は人に下の世話をしてもらわないといけないんだ.. それは潔く諦めるしかない。

意識が戻ってきて平気な顔の時も交代した娘や私に、何かしら話をしている。

多分、「この柵をのけて、自分は帰る」と言ってるのだと思う。

意識が戻っても、ときに痰で息がつまり、思うように身体は動かせず、帰してももらえない。

目が覚めることが良いことなのかわからなくなってきた。

こんなの父は望まない..

でもモルヒネを使う決断もできない

「どうしたらいいんだろう」と薬がなかなか効かない父の手を握り泣く

□今日久しぶりに外に出た。長女のPCR検査の陰性診断が出たので交代し、急ぐ要件を済ませ、お弁当を買って戻る。久しぶりの外は歩き辛かった💦


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