「人」紹介!詩人 溝呂木梨穂さん

こころの詩集「らりるれろの魔法」

誰もいない深い森の湖で、水の奥深くをのぞきながら、語りかけているような詩。
静かに流れる時の音や、あらゆるものに感じる感情や、そんな騒々しさのない場所でしか感じられない世界がここにはあります。
そんな詩を書かれている溝呂木 梨穂さんは、生後すぐに重度の障がいを負い病院で過ごしてこられた、24歳の女性です。

この詩を読んで、いつまでもいつまでも、障がいを持つ方々を理解できない自分がいること、東田直樹君の「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」を読んで、ひどく反省したのが、遠い昔になっていることに気づきました。

詩を読んでいる途中、どうしてこんな表現ができるのだろう?どうしてこんなに言葉を知っているのだろう?と何度も思いました。
「なかなか信じられないかもしれませんが、私は希望をなくしたことはありません。小さなころからずっとお母さんに、たくさん愛情を注いでもらいましたから、私はとても幸せです・・・」
その言葉で、「あぁそうか、お母さんだったんだ」と、可愛い梨穂さんに、本を読んで聞かせているお母さんの姿が浮かんできました。

実は、梨穂さんが自分の思いを言葉にできるようになったのは、そんなに昔ではありません。
大学の先生がある装置を持ってきて、彼女の心の奥にしまわれた言葉を文字に変えられたのが5年前、その時最初に話した言葉…
「言いたい気持ちがあります。びっくりして夢のようです。長い間待ち望んでいました。私に言葉があると、なぜわかったのですか?
ご覧の通り、何もできない私ですが、ぼんやりと生きてきたわけではありません。ずっと、人間とは何なのかということを、考えてきましたから…」

障がいをもつ方の多くは、表現できないだけ。胸の奥に思う気持ちは同じだと理解されず、それまでどんな思いをしてこられたのかと..

とにかく、お母さんの愛と、彼女の優しさがこもった、大切なことに気づかせてくれる本に出会えて良かったです❤️

これからも、人の心を灯せるような詩を、待っています😊


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